温泉津温泉

島根県の大田市にある温泉津(ゆのつ)温泉に行ってみた。

温泉の位置
温泉津温泉は、浜田と出雲のだいたい中間辺り、海沿いに位置する。

温泉の概要

昔、狸が入浴しているところを発見したことから開湯したといわれており、湯治場として名高い。

源泉は、「元湯」と「薬師湯」の2か所で、共同浴場になっている。

2つの湯はほぼ真向いに位置し、ごくごく至近距離だが、源泉が異なる。

●「元湯」(入浴料:370円)6時~20時

 泉質:含土類食塩泉

 ・1300年の歴史がある。

 ・源泉かけ流し。

 ・浴槽は、「あつい湯」(透明)、「ぬるい湯」(黄土色ににごり)、「座り湯」(ぬるい湯の座るバージョン)の3つに区切られている。

 ・「ぬるい湯」でもかなり、かなーーーり熱い。「あつい湯」に入れるのはきっと真の強者に違いないと思う。

 ・シャワー設備なし。洗髪するには別途料金が必要。

●「薬師湯」(入浴料:350円)平日8時~21時、土日6時~21時

 泉質:ナトリウム−カリウム塩化物泉(等張性中性高温泉)

 ・1872年の浜田地震で新たに噴出した温泉。

 ・日本温泉協会の天然温泉の審査で最高評価の「オール5」認定を受けている。

 ・源泉かけ流し。

 ・黄土色ににごっている。

 ・元湯ほどではないが、それでもかなり熱め。

 ・シャワー設備あり。洗髪するには別途料金が必要。

 ・屋上にプチ展望エリアを設けている(コーヒー無料サービスあり)。


立ち寄りレポ
● 温泉街の街並み

「湯治場」という言葉がすっと馴染む、昔ながらの落ち着いた温泉街である。

宿や共同浴場、お土産屋さんなどはほぼほぼ1本のメイン通り沿いに立ち並んでおり、徒歩で十分まわれる広さ。


● 「やきもの館」に行ってみた

温泉街から徒歩約20分程、山の坂道を登っていくと、陶芸体験や温泉津焼きの販売を行っている「やきもの館」ならぬ施設がある。


体験はしなかったが、店内をぶらぶら。


すると。・・・なんともかわいいひよこっちがこちらを見ている。

思わず2つ購入してしまった。

うちに来たぴよこ達。


● 「震湯カフェ内蔵丞」

朝から何も食べてなく、もーれつにお腹が空いた。とはいえ、温泉街に到着したのはもはや14時をまわっており、ランチともいえない中途半端な時間。

観光案内所の人に尋ねてみると、この震湯カフェなら、今の時間でも食事を提供しているという。

薬師湯の隣にある「震湯カフェ内蔵丞」にイン。

何やらアンティーク調な雰囲気。


食事は、「温泉津の奉行飯1000円」又は「内蔵丞カレー800円」の2択。

それぞれ200円増しで大盛りにできるとのこと。


はらぺこだったため「内蔵丞カレーの大盛り」を注文。

野菜カレーで、野菜を煮込んだ風の甘さのルー。なんだかハヤシライスに近い甘さ。

しいたけがジューシー。とてもおいしくいただいた。



●「薬師湯」

温泉協会の評価オール5とのことで、かなり期待して向かった。


さすが本気の温泉、といったところか、石鹸やタオルはなく、洗髪には別途料金が必要とのことで、宿の温泉を利用して洗髪等を済ませておいた。

きっと毎日のように頻繁に通っているのであろう地元のおばちゃんが、「あついけん無理せんと入りんさいよ。あたしらはもう慣れとるけどね。」と。

ほう。そんなに熱いのか。

掛け湯をし、いざ湯へ。


おっと、確かに熱い。無意識にじっとしてしまうレベルだった。

ほんの数分で、じわりと汗がにじみ、ギブアップ。

2回程繰り返して終了。

いや~、気持ちよかった。熱いけど本当に気持ちいい。

本物の温泉って、なんでこんなに気持ちいいんだろう。

脱衣所に、「是非湯上り後は3階の展望デッキへ」みたいなことが書いてあったので、展望デッキなるものへ赴いてみた。

簡単に言ってしまえば、普通のビルの屋上。

けれど、居心地のよいように配置されたイスやテーブルやブランコ、手入れされている花、何足も用意されたクロックス、無料のコーヒーサービスなどを見ると、温泉街の素晴らしい景色をみてほしい、ゆっくりくつろいでほしいという薬師湯の人達の思いや心遣いがすごく伝わってきて、ありがたくコーヒーを飲みながら温泉街の夕焼けの景色を堪能させていただいた。


●「元湯」

翌朝、元湯へ。


入口に着くなり、面倒見のよさそうな番台のおばちゃんが「うちはかなり熱いけんね。後で入り方ちゃんと言ってあげるけんね。」と。

いやいや、当方、昨日薬師湯で熱い湯にはちょっと耐性ができてますから、ゆーてそんな、大丈夫ですよふふふ、なんて思いつつも、掛け湯で体を洗い、いざ、湯へ。

「…あつううう!!!」・・・想像を絶する熱さがそこにはあった。薬師湯で熱いと思っていたが、もはやそれどころではない。

「ぬるい湯」なのに全然ぬるくない。一瞬入れ間違いか!?と思ってしまったほど。

そこへタイミング良くおばちゃん登場。入り方を一挙手一投足教えてくれた。

 ①手やら足にぱしゃぱしゃ徐々にかける。

 ②勢いよくバシャーっと肩から湯をかける。(そろそろとかけたら逆に熱いらしい)

 ③ひざから下に水をかける

 ④潔く湯船に入る。

 ⑤初心者は始めから長く入ろうとせず、1~2分で休憩し、また入るとよい。

あまりの熱さに、数分間じっとしとくだけで精一杯だったが、不思議と、すっごく気持ちがいい。

あぁーまたもや、クセになりそうだ。

めちゃ熱い→出る→すぐまた入りたくなる。

やっぱり泉質が本当にいいんだと思う。そいえば別府でも同じようなこと思ったなあ。


おばちゃん曰く、

「あつい湯」は透明で、「ぬるい湯」は茶色に濁っているが、湯は同じものなのだと。

湧いたすぐは透明で、空気に触れる時間が長いほど濁ってゆくのだそう。


いや、「あつい湯」には絶対にどうやっても入れはしないけども。
一体どんな人が入るのか…!
もはや常人離れしたよほどのツワモノに違いない。


● 飲泉塔

元湯の向かいに、飲泉ができる場所があると聞き、湯から上がったその足で向かってみた。

元湯のおばちゃん曰く、「まだ朝最初じゃけん大分しばらくは熱い湯は出んから。冷たいまま飲みんさい。うちのなら熱いけどな。」と。

えっ、元湯の湯も飲んでいいの!?と思いつつ、せっかくなので飲泉塔の龍の口から出てくる温泉を飲んでみたーいと思い、龍のもとへ。

「口の正面に立ったらブシャー!かかるから、横から汲みなさいよ」との元湯おばちゃんアドバイスを生かし、横から頂く。
でもそんなにブシャーならない。

味は…冷たいからか、温泉の味が悪い意味でありありと感じられ、なんともエグみのある、強烈な一杯に。

あぁ…多分これで熱かったら、じんわり胃腸に染みいる感とか、ふぅ〜っ…と安らぐ感があっていい感じなんだろうなぁ。
冷たいと、もう味での勝負になるから、なかなかきついものがある。
結局コップ半分くらいしか飲めず。
元湯の温泉を注がせてもらえばよかった、と少し後悔したのであった。

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いい湯だねっと〜源泉掛け流し、加水なし、加温なし、消毒なしの本物の温泉に入りたい。〜

本物の温泉を求めて、日本全国津々浦々を旅した備忘録です。